
2:コーポラティブハウスへの思い
司会
コーポラティブハウスを始めたきっかけと、現在のコーポラティブハウスについて感じている事を聞かせて下さい。
伊藤
私がコーポラティブハウスを始めた当初は、経済効率が最優先されがちな分譲マンションに対して、設計者や入居者の視点から建築を作ることができれば、より良い住まいが実現できるだろうという思いからでした。そしてある程度存在が認知された現在としては、逆に分譲マンションライクなものや、デザイン性に偏ったコーポラも増えてきているので、それに対しては、危機感というか、停滞感のようなものを感じています。
石川
同感ですね、私はバブルの絶頂で社会人になり、当初、大手デベロッパー系列の管理会社に勤めていたのですが、当時のデベロッパーが供給するマンションの単調さと価格の高さに疑問を持ち、管理組合の運営に対しても違和感がありました。ちょうどその頃、系列のデベロッパー出身者が起業した「都市デザインシステム」が立ち上げたコーポラティブハウスこそが、まさに住まい手の発想でつくれる住宅だと共感し、16年程前からコーポラに関わっています。今ではユーザーと一緒につくるコーポラの楽しさが病みつきになり、現在までに40数棟のコーディネーターをしてきております。
司会
これまでお2人ともに面識は無かったと伺っていますが、お互いの印象を聞かせてもらえますか。
伊藤
私から見たタウン・クリエイション、そして石川さんは、コーポラティブハウスだけでなく建物管理からマンション建替えまで、幅広い知識と経験を有し、ひとつひとつの仕事を誠実にされているなぁという印象がありました。そして、実際にお会いしてみるとイメージ通りの方で、住まいに対する価値観・問題意識など、共感できる部分がたくさんありました。
石川
私も伊藤さんとゼロワンオフィスについては、設計事務所でありながらコーディネートもされている希少な会社で、特にデザインにおいては、参加者・設計者それぞれのカラーが出ている魅力的な設計をされていたのが印象的でした。商品をつくるのではなく、設計の立場から住まい手の事を考えてものづくりをされている事は竣工した建物を見るとそのプロセスの匂いから分かるんです。

